第403章 当時のことは解けぬ結び目

証拠を突きつけなければ、母が自分の言葉を信じることはないと千謙は分かっていた。

「なら、どんな証拠があるというの?」

千謙は以前、望月夫人を問い詰めた際の録音データを再生し、母に聞かせた。

その中には、望月夫人のこんな言葉が含まれている。

『高坂夫妻が入札に参加できないようにしたかっただけよ。まさか死ぬなんて思わなかったわ。運が悪かったとしか言いようがないじゃない!』

その録音を耳にした篠崎夫人は、しばらくの間、言葉を失った。

まさかあの時の出来事に、このような真相が隠されていたとは夢にも思わなかったからだ。

「母さん。望月叔母さんが俺を害そうとしたかどうかは一旦置いておくとして...

ログインして続きを読む