第433章 彼女に手を出してみろ

檸檬は詩乃の身に異変が起きたと聞いた瞬間、反射的に東弥を疑った。

つい先ほど、高坂グループが直面している危機について議論したばかりだ。このままでは遠からず破産するだろう。今の東弥が破産を回避するには、どこからか資金を調達して急場を凌ぐしか道はない。

千謙が裏で各投資家や銀行に手を回しているため、東弥が融資を受けるのは至難の業だ。現状、彼が現金を工面できるあては、中村家しか残されていない。

かつて檸檬が、東弥という人間について忠告していなければ、詩乃はとっくに彼と婚約していただろう。もし東弥が中村家の婿に入り、詩乃が相続する遺産を自由に操れるようになれば、今回の資金難など取るに足らない問題...

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