第436章 千謙と因縁をつけに行く

檸檬は伏し目がちに彼の手元を見つめ、問いかけた。

「じゃあ、何かいい手でもあるんですか?」

「無論、車を降りて道理を説くのさ」

檸檬の瞳に微かな驚きが走る。

中村家の人間に道理? そんなものが通用するわけがない。

今、金に困り果てている彼らが、正論など聞く耳を持つはずもなかった。

千謙は中村家の別荘の前に車を停め、言った。

「君が言っても無駄だが、俺が行くなら話は別だ。君の背後に俺がいるということを、奴らに思い知らせてやる必要がある。追い詰めなければ、焦りもしないし、ボロも出さないだろう?」

確かに、と檸檬は思った。

だが、ついさっき追い出されたばかりの場所に、また戻るというのか。

...

ログインして続きを読む