第446章 彼女の前で完全に自制を失う

詩織は、勝ち誇ったような目で千謙を見上げた。

ついに、千謙の弱みを握ったのだ。

千謙は、あの時自分も車に乗っていたことを、未だに檸檬に言えずにいる。それは彼に自信がないことを証明していた。

証拠はもう残っていないが、篠崎家が望月家の尻拭いをしたという事実は消せない。

千謙は一生、この鎖から逃れられないのだ。

千謙は無表情を装いつつも、その瞳には激情を宿して隣の檸檬を見た。

一方、檸檬の目には、詩織の憎悪に歪んだ醜悪な顔が映っていた。

堪えきれずに、檸檬は吹き出した。

「詩織。人の仲を裂くしか能がないの?」

望月詩織の表情が凍りつく。

「あら、この男があなたをどう騙していたか...

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