第458章 彼の瞳に火がついた

千謙のその言葉を耳にして、彼の表情を見ていなければ、檸檬は彼が単に授業があるかどうかを気にかけているだけだと信じ込んでいただろう。

彼女は珍しく機転を利かせた。

「あります」

言い終えると、彼女は水を飲みにキッチンへと向かった。どうにも喉が乾いている気がしたからだ。

檸檬が冷蔵庫の前に立つと、背後から逞しい胸板が押し当てられ、腰を抱きすくめられた。

「ごほっ……」

檸檬は危うく水で咽せそうになった。

水を飲み干し、警戒心を露わにして身体を捻り、千謙を見上げる。

「あなたも水が飲みたいんですか?」

千謙は何も言わず、ただ身を屈めて、彼女の手にあるコップから一口、水を飲んだ。

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