第496章 馬鹿犬のように手玉に取られる

外では、檸檬が窓枠に足をかけ、死ぬのなんのと喚いている湘子を見上げていた。

霧人は気が気ではない様子だ。

「南斗兄さん、万が一、湘子が本当に落ちたらどうするんだ!?」

檸檬は冷ややかな視線を送る。

「安心なさい。湘子のあの演技力は、誰にも真似できないわ」

「どうして演技だって言い切れるんだ? もし本当だったら……」

檸檬の瞳に、あからさまな嘲りの色が浮かぶ。

「かつてあなたたちは、そうやって湘子に手玉に取られていたじゃない。私が止めなかったら、今頃まだ尻尾を振る愚かな犬のように騙され続けていたわよ」

その言葉に、高坂家の男たちは一様に羞恥で顔を伏せた。

否定できない事実だったからだ。...

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