第504章 檸檬の疑念と迷い

檸檬はその傷跡消しクリームを見つめながら、まるでパンドラの箱のようだと感じていた。

唐突な恐怖に襲われ、指先が触れるのを拒んでしまう。

「檸檬、どうしたの? 手が冷たいよ」

詩乃は檸檬の手を握りしめ、果歩に視線を送った。

「そのクリーム、捨てて」

「分かった」

果歩は少しもったいないとは思ったが、容器をポケットにしまい、まとめて捨てることにした。

惜しい気はするけれど、檸檬がこれほど拒絶反応を示しているのだ。捨てるのが正解だろう。

「待って」

檸檬は顔色を蒼白にさせながら、果歩を見つめた。

「まだ捨てないで」

果歩が戻ってくる。

「何か曰く付きなの? すごく嫌がってるみたいだ...

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