第518章 まさか俺にときめかないのか?

篠崎夫人が子供の話をし始めたのを耳にして、檸檬はたまらず口を挟んだ。

「いえ、違います、篠崎夫人。誤解です、私と彼は付き合っていませんから」

 少なくとも、今はまだ。

 檸檬の言葉に篠崎夫人の表情が凍りつく。やがて、ばつの悪そうな顔になった。

「ごめんなさいね、私ったら気が早くて。だってあなたたち、とてもお似合いだったから……私のせいで別れさせてしまったのが心残りで」

 そのことに触れると、篠崎夫人の目元が赤く染まる。

 あんなことがなければ、千謙と檸檬が別れることなどなかったはずなのに。

 檸檬はベンチに座り、外の景色を眺めた。

「どうにもならないことって、ありますから」

「でも...

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