第520章 全ネットから唾棄される存在となる

檸檬は、鮮やかな花束を抱えて現れた西都の姿を目にし、一瞬だけ意識が遠のくような感覚に襲われた。

脳裏をよぎったのは、手術台の上にいる自分。あの悪夢のような光景に怯え、転げ落ちた記憶。それは彼女の心に、決して消えることのない深い爪痕を残していた。

呆然としている間に、西都はすでに檸檬の目の前まで歩み寄っていた。

だが、檸檬は差し出された花を受け取ろうとはしない。その花束が、どうしようもなく皮肉なものに見えたからだ。

なにしろ前世の自分には、回復の機会など与えられなかったのだから。

西都が様子を窺うように口を開く。

「妹よ、どうしたんだ?」

「なんでもありません。ただ、そのお花が好きで...

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