第521章 今は西都に頼むしかない

千謙からの電話を受けた時点で、檸檬は詩乃の話が真実であると確信した。

千謙が自分を頼ってくるということは、それ以外に打つ手がなかったということだろう。

「ええ、叔母様の件は詩乃から聞きました。私が西都に会ってきます」

檸檬がそう答えると、受話器の向こうから低い声が返ってきた。

「あいつに会いに行く前に、一度会おう」

「わかりました」

檸檬は千謙と時間と場所を決め、通話を終えた。

檸檬は視線を戻し、詩乃を見つめる。

「正直なところ、西都があちらで篠崎夫人を本当に治せるのか、確証はないんです」

「試してみる価値はあるわ。現状、他に手立てがないもの」

傍らで聞いていた果歩が口を挟...

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