第547章 これで神様でもお前を救えない

詩織の言葉が耳に入ってきたが、檸檬はただ滑稽だと感じただけだった。

檸檬は詩織を完全に無視し、篠崎夫人の体を支えてそのまま前へと歩き出した。篠崎夫人もまた、詩織の存在には気づいていたが、あえて見えないふりを決め込んでいた。

完全に無視された詩織は、屈辱に唇を噛んだ。

彼女も当然、ニュースを見ていた。檸檬が夫人や篠崎千謙たちと食事を共にし、それがSNSでトレンド入りしたという報道だ。

メディアの論調は、まるで檸檬と千謙が「親への紹介」を済ませたかのような扱いだった。

ここ最近、ネット上では「社交界の華」と呼ばれた詩織への嘲笑が溢れかえっていた。檸檬のような片田舎から出てきた小娘一人に勝...

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