第601章 篠崎のおば様の治療がこんなに辛いとは

檸檬は西都に電話をかけたが、無機質なコール音が続くだけで応答はなかった。

処置室から漏れ聞こえる苦悶の声に、心臓が早鐘を打つ。どうして、誰も電話に出ないの。

檸檬は何度も発信を繰り返したが、やはり誰も出ることはない。

彼女は滲む視界を堪え、西都へメッセージを打ち込んだ。

『どうして篠崎のおば様の治療は、あんなにも苦痛を伴うのですか』

なぜ、篠崎のおば様は何も言ってくれなかったのか。

檸檬は一人、廊下で待ち続けた。永遠にも感じる時間の果てにようやく治療が終わり、院長が処置室から姿を現す。

院長は檸檬の姿を認めると、驚いたように眉を上げた。

「……今の声で、知ってしまったようだね」

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