第602章 超名門の手土産はこんなに独特?

檸檬の表情が、ふと強張った。

「なんでもありません。ただ睫毛が目に入ってしまって、取るのにかなり手間取っただけです」

「そう。それならいいけれど、もし違和感があるならすぐお医者様に診せるのよ。かかりつけ医を呼んでもいいし、決して油断は禁物だからね」

篠崎夫人は、檸檬の手を優しく握りしめた。

「うちはお金に困っていないの。だから、あなたが無理をして苦労する必要なんてないわ」

檸檬は小さく頷く。

「はい」

檸檬は篠崎夫人を見つめ返した。その瞳の奥には、隠しきれない懸念が滲んでいる。

もし先ほど、夫人が過酷な治療に耐えているという事実を偶然知ってしまわなければ、本当にその笑顔に騙されていたか...

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