第608章 誰も彼も演技が上手い

檸檬は、景白の姿を認めた瞬間に目を見開いた。

 どうして彼がここに?

 景白は、その場にいた弁護士を見据えて口を開いた。

「あいにくだが、先日中村さんとも同様の契約を交わしたばかりでね。そこには、そちらの契約を破棄する旨も明記されている」

 中年の弁護士は、瞬く間に顔色を変えた。

「馬鹿な。お嬢様が最も信頼しているのは私だ。他の人間に依頼し直すなどあり得ない!」

 中村夫人もすぐに追随する。

「ええ、そうよ。詩乃が一番信頼しているのは佐伯弁護士だわ。あの子の父親が遺した専属の弁護士なのだから」

「信じないだろうと思って、証拠の映像を用意してきた。公証済みの正当な証拠だ」

 景白がス...

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