第616章 黒幕は深く潜んでいる

西都の口から「中村家に関わる人間」という言葉が出た瞬間、檸檬の脳裏には即座に英子の姿が浮かんだ。

最近の調査で、英子に不審な点が見つかっていたからだ。

西都は静かに頷いた。

「ああ、その通りだ。彼女だよ」

予想はしていたものの、実際に肯定されると檸檬は僅かに言葉を失った。

「……やっぱり、そうだったんですね」

英子という女は、これほどまでに深く爪を隠していたのか。

ここ数年、彼女は海外に身を潜めていたわけではない。国外で詐欺を働き、黒幕として糸を引いていたのだ。

「友人のことが心配なのはわかる。だが、そんな人間が背後にいる以上、友人名義の財産はとっくに目をつけられているだろうな」

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