第622章 No.1令嬢がマルチの親玉に

壇上の詩織は、まるで狂信的な信者たちを前にした教祖のように熱弁を振るっていた。その姿を見て、檸檬は開いた口が塞がらなかった。

あの一体感、あの熱気。どうやって人心を掌握したのかずっと不思議に思っていたが、まさかマルチ商法の手口で洗脳していたとは。

悔しいが、詩織の洗脳スキルだけは大したものだと言わざるを得ない。

すでに何人もの参加者がステージ前に駆け寄り、詩織と熱心に言葉を交わしている。どう見てもサクラにしか見えないが、場の空気は完全に出来上がっていた。

檸檬は隣に立つ千謙を見上げた。

「ねえ、PZコーポレーションって、やっぱりマルチなんじゃないですか?」

そうでなければ、専務にな...

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