第635章 嘘つきの精神がどうしておかしくなるのか?

檸檬は、やはりその結果をにわかには信じられなかった。

湘子のような人間がヒステリーを起こしたり、発狂したりするというなら、まだ分かる。

だが、精神を病んだと言われても、到底そうとは思えなかった。

何年も猫を被って嘘を吐き続け、白を黒と言いくるめてきた女だ。その精神力は並大抵のものではない。

千謙が湘子の名を口にしたとき、その瞳には幾分かの嫌悪が滲んでいた。

彼は口を開いた。

「俺の部下が湘子のカルテを調べた。主治医にも鎌をかけてみたが、確かに精神に異常を来しているそうだ。虚空に向かって戯言を呟くことも多いらしい」

「湘子が演技をしている可能性は?」

「もし俺たちの手に落ちてから...

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