第646章 この芝居、最後に笑うのは誰か

英子は延々と説教を垂れていたが、詩乃はただうつむいて黙りこくっている。まるで木偶の坊だ。

英子の胸中に、苛立ちが募る。

だが、これが詩乃という女だ。この扱いやすい性格でなければ、こうも長く手駒にはしておけなかっただろう。

英子は大げさに溜息をついてみせた。

「詩乃ちゃん、うるさい小言だと思わないでちょうだいね。私はただ、あなたが騙されて馬鹿を見るのが忍びないのよ。高坂檸檬のような育ちの悪い子が、あなたみたいな帝都サークルのご令嬢に近づくなんて、おこぼれに預かりたい下心があるに決まっているじゃない」

「……はい、わかっています。英子叔母様の仰る通りですわ」

詩乃は英子を見上げ、必死に衝...

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