第655章 湘子、逃げられると思っているのか

北斗は湘子の前に立ち塞がると、氷のような冷徹な声で言い放った。

「ここを、お前の好き勝手に出入りできる場所だとでも思っているのか?」

「北斗兄さん、離してよ。私のような才能ある人間を大事にしないのはそっちでしょ。それに自分で強くなろうとすることの何が悪いの? 高坂家がなくたって、私には結城家があるんだから!」

北斗は鼻で笑った。

「結城家だと? あっちがお前ごときを相手にすると思っているのか?」

「どうしてしないと言い切れるの? なんと言っても、私は宴の子供を産んだのよ。この事実は永遠に変えられないわ。それに私には、結城家を正真正銘の第一名門に押し上げるだけの資本がある。彼らは必ず私を受...

ログインして続きを読む