第666章 敵を大混乱に陥れる

詩乃は英子をじっと見つめ問いかけた。

「おば様、もしかして私に何か隠し事をなさっていませんか?」

英子は気まずそうに答える。

「まさか。あなたの考えすぎよ」

「ですがおば様、それならどうして、傑が誰かに計画的に誘拐されたとばかり仰るのですか? ここ数年、誰かの恨みを買うようなことはなさらなかったはずでしょう?」

詩乃の物言いは、表面こそ無邪気だが棘がある。その鋭い指摘に、英子は言葉を詰まらせた。

英子としても、まさか傑が誘拐されるとは思ってもみなかったのだ。だからこそ、先ほどは取り乱してしまったのだろう。

秘書が慌てて割って入る。

「中村様、申し訳ありません。社長も若様のことがあまりに...

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