第681章 言っても信じないかもしれない

英子は、中村夫人の表情がみるみる変わっていく様を愉しんでいた。この瞬間を、長年待ちわびていたのだ。

英子がゆったりと一歩踏み出すと、中村夫人は怯えたように後ずさる。

「顔なじみの方もいらっしゃいますが、今回は新しい立場としてご挨拶させていただきますわ」

英子が微笑むと、すかさず詩織が言葉を継いだ。

「ええ、私としても驚きですが、彼女こそが正真正銘のVIPです」

その様子を傍らで眺める檸檬と詩乃の瞳には、冷ややかな嘲笑の色が浮かんでいた。

顔色を失った中村夫人が、詩乃の元へ歩み寄る。

「詩乃、ちょっと話があるの」

声を潜める夫人に、詩乃は冷めた視線を向けた。

「伯母さん。投資の...

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