第692章 金のありかは教えない

英子の瞳は涙で濡れていたが、そこには強烈な悔しさが滲んでいた。

英子は詩乃を睨みつける。

「私だって、幼い頃にあなたのような環境にいれば、こんなところまで落ちぶれなかったわよ! 全部、あなたたち金持ちが私を追い詰めたんじゃない」

檸檬は冷ややかに鼻を鳴らした。

「贅沢な暮らしを望みながら、まっとうな道を歩もうともせず、すべての過ちを他人のせいにする……滑稽ですね」

英子はふん、と鼻で笑う。

「綺麗事は聞き飽きたわ。今さら傑を連れてきたのは、残りの金の隠し場所を吐かせるためでしょう?甘い夢なんてみないことね。絶対に言うもんですか」

詩乃が静かに口を開く。

「勘違いしないでちょうだい。傑を...

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