第701章 金と人質の引き渡し

千謙は届いた小包を開けた。中には一台のガラケーが入っている。

「十中八九、誘拐犯が残したものだ」

その時、着信音が鳴り響いた。

千謙は通話ボタンを押した。

「……ああ、篠崎だ」

「お前が高坂の彼氏だな? 女はこっちで預かってる。身代金として、例の凍結された口座の金をよこせ」

「わかった。取引場所は?」

「そんな大金、手渡しなんてできるわけねえだろ。この口座に振り込め。入金が確認でき次第、高坂檸檬は解放してやる」

千謙は携帯を強く握りしめた。

「お前たちが嘘をついていないという保証はない。金だけ受け取ってドロン、という可能性もある。現に、お前たちは今まさに国外逃亡を企てている最...

ログインして続きを読む