第702章 もはや逃げ場なし

運転席に座る誘拐犯が、苛立ちを露わにして叫んだ。

「なんで山が封鎖されてんだよ!」

「兄貴、マジっす。封鎖されてて中に入れません」

「理由はなんだ、理由は!」

「どうやら登山者のグループが山で遭難したみたいで、今、捜索が始まっているそうです」

その言葉を耳にした瞬間、檸檬の心臓が早鐘を打った。

(彼が来たの?)

そうか。もしバンが故障していなければ、自分たちは今頃すでに山の中に入っていたはずだ。

だが、英子が故意に嫌がらせをして車を故障させたため、修理と移動に時間を食ってしまった。その遅れが原因で、千謙たちの到着のほうが早かったのだ。

檸檬は、思わず苦笑しそうになった。誰が予...

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