第728章 機会は本当に一度だけ

高坂檸檬は、感動に打ち震える高坂霧人の姿を冷ややかな目で見つめていた。その胸中には、嘲笑だけが渦巻いている。

『本当です。でも、あの人たちには言わないでください。チャンスは一度きりですから』

高坂南斗と高坂西都がこちらへ近づいてくるのが見えた。高坂檸檬は即座に口をつぐみ、手にした義足を高坂霧人へ放り投げる。

「わが社の製品は、やはり最高です」

高坂霧人は慌てて義足を受け取り、装着した。

「ああ、その通りだ。お前が設計したものだ、良いに決まっている」

高坂南斗は義足を見つめながら、高坂西都の言葉を反芻していた。

もし前世で高坂檸檬が高坂家を離れていなければ、この製品は高坂家で生み出さ...

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