第745章 自らの手で高坂家の者を殺した

篠崎千謙は手にロープを持ちながら、高坂檸檬の頭をポンと撫でた。

彼は腰を屈め、檸檬の耳元で低く囁く。

「夜もこれくらい素直ならいいんだがな」

檸檬は顔を上げ、彼を鋭く睨みつけた。全く、この男は。

篠崎千謙は低く笑い声を漏らし、檸檬を縛り上げると、その頬を軽くつねった。

「行ってこい。演技力が試される時だ」

その時、双方の船が接近した。

篠崎千謙は姿を隠したまま、甲板に立ち並び焦燥の色を浮かべる高坂家の兄弟たちの様子を窺っていた。

高坂西都が甲板に立ち、対面の船にいる人間に視線を向ける。

「奴を出せ。俺と話があるんじゃないのか?」

甲板に立つ男が口を開く。

「話だと? 島を...

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