第754章 彼は一体どんな顔をしているのか

高坂西都が写真を差し出すと、高坂檸檬は興味深げにそれを覗き込んだ。

自分がかつて惚れ込んだという『クズ男』が、一体どんな顔をしているのか。彼女自身も確かめてみたかったのだ。

写真に写る端正な顔立ちの男を目にしても、彼女の心は凪いだ湖のように静まり返っていた。

これが、私が愛した男。

確かに、容姿は整っている。一見して有能なエリートだと分かる風貌だ。

私が彼に惹かれたのも無理はないのかもしれない。

だが、今の私には何の感情も湧いてこない。この写真を見ても心が揺れないという事実が、もはや彼への愛など消え失せていることを如実に物語っていた。

高坂西都はスマートフォンを引っ込めると、探る...

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