第774章 彼は生き地獄の閻魔様だ

篠崎千謙は情け容赦というものを一切持ち合わせていない。その姿は、まるで生き地獄の閻魔そのものだった。

篠崎千謙が連れていた部下たちが、本当に結城宴を取り押さえにかかる。

結城宴はたちまち顔を引きつらせた。

「き、季……篠崎千謙、何をする気だ!? 正気か!」

篠崎千謙は鼻で笑う。

「俺にできないとでも?」

周囲の野次馬たちが慌てて仲裁に入った。

「おいおい、穏便にいこうぜ。まさか本気で血を見るつもりじゃあるまいな」

「そうだぞ。今日は『石選び』の日だ。縁起が悪い」

篠崎千謙は氷のような表情を崩さない。

「俺の辞書に、縁起などという言葉はない」

だが、傍らにいた貴婦人が口を挟んだ。

「...

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