第779章 抜け目のない可愛い子

篠崎千謙は冷ややかな視線を篠崎誠に向けた。

「口を慎め」

「ちっ、冗談も通じないのかよ」

「通じないな」

篠崎千謙はベッドのヘッドボードに背を預け、腹をさすった。

「腹が減った。何か持ってこさせろ」

「兄さん、少しは大人しくしてくれないか。これ以上、俺に迷惑をかけないでくれよ。結城夫人が電話をかけまくってきて、もう回線がパンクしそうなんだぞ」

篠崎誠はそうぼやきながら、篠崎千謙に果物を手渡し、スマホを取り出して秘書に食事の手配を指示した。

篠崎千謙は平然と果物を口に運ぶ。

「お前だって、昔は散々俺に迷惑をかけただろう」

「確かに昔はやんちゃしたさ、それは認める。でもな、兄さんのや...

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