第818章 あの女は彼を利用しようとしている

篠崎夫人は、揶揄うような笑みを浮かべて言った。

「あら、不満なの?」

篠崎千謙は冷ややかな視線を向けた。

「あんた、本気でそれが適切だと思ってるのか」

「別にいいじゃない。どうせ貴方、高坂様のことなんて嫌いなんでしょ? 私が彼女と義姉妹になって、貴方が星月ちゃんの兄になる。悪くない話だわ」

「…………」

どこが「悪くない」のか、さっぱり理解できない。

わかるのは、あの女が本気で自分たちの立場を利用しようとしているということだけだ。

篠崎夫人は続けた。

「特に異論がないなら、これで決まりね?」

「あいつがここに居続けられるかどうかも怪しいもんだ。あの女の口から出る言葉に真実なんて欠片...

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