第831章 篠崎誠がまさか子供の父親?

篠崎千謙は歩み寄り、目の前の篠崎誠を見据えた。まさかこいつが、そんな真似を?

確かにあの頃の誠は、どうしようもない放蕩者だった。五年前……俺は高坂檸檬の一件で手一杯で、こいつの監視まで手が回らなかったのだ。

あの時期に、誠がとんでもない不始末をしでかしていたとしたら?

誠の額にじわりと冷や汗が浮かぶ。

「兄貴、俺最近は何もしてないってば」

兄の視線が痛いほど突き刺さる。まるで自分が大罪でも犯したかのような目つきだ。

千謙は彼を睨みつけたまま口を開いた。

「昔の女たちとは、もう切れてるんだろうな?」

「き、切れてるよ。なんだよいきなり。婆ちゃんに言われて結婚を急かしに来たのか?」

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