第832章 これが篠崎千謙の過去

高坂檸檬が質問すると、案内をしてくれた人物は手慣れた様子で答えた。

「こちらは我がチームの最古参メンバーですよ」

高坂檸檬は少し考えてから口を開く。

「古株だというだけで、そんなに勿体ぶる必要があるんですか? 顔が酷すぎて人に見せられないとか?」

彼女がそう言うと、その場にいた全員がどっと笑った。

案内人は咳払いを一つして言った。

「いや、そういうわけじゃありません。ただ本人が顔出しを嫌がっていてね。それが当初の契約条件なので、破るわけにはいかないんですよ」

高坂檸檬はそれ以上深くは聞かなかったが、顧グループの秘書が彼女に目配せをしてきた。

高坂檸檬はすぐに察した。これが篠崎千...

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