第879章 高坂西都はやはり知ってしまった

高坂檸檬は、あの中村という人物に会って以来、ずっと心に晴れないものを抱えていた。胸の奥に澱のようなものが溜まっているのだが、それが何なのか言葉にできない。

やはり一度、高坂北斗に会いに行くべきかもしれない。そう思い始めていた。

だがその夜、ピンクのお団子ちゃん――娘の星月がなかなか寝付こうとしなかった。

檸檬は娘の顔を覗き込んだ。

「どうしたの?」

「マミィ、篠崎おじさんとお電話したい」

「おじさんが恋しくなっちゃった?」

こくり、と小さな頭が揺れる。

檸檬はほだされ、愛おしそうに娘を抱き寄せた。

「自分で連絡してみなさい」

すると、娘は自分の見守りウォッチを差し出した。

「こわれちゃっ...

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