第880章 高坂檸檬は一体どこまで知っているのか?

高坂檸檬がその問いを口にした瞬間、彼女の脳裏にはいくつもの答えが過った。

電話の向こうから聞こえる高坂西都の声には、隠しきれない動揺が滲んでいた。

「お前、どうしてそれを知っている?」

(……やっぱり)

その言葉を聞いた瞬間、高坂檸檬の心はすっと冷えていった。今の問いかけは、単なる鎌かけに過ぎなかったというのに。

「偶然見つけただけです。あのような症状なら、原因を見つけるのは簡単ですから」

檸檬は淡々と、しかし確信を持って告げた。

「私が選択性健忘なんかじゃないことくらい、すぐに分かりました。ただ原因が特定できなかっただけで……でも、篠崎千謙さんに会って全てが繋がりました」

高坂西都...

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