第93章 本当にこの妹を失うことになる

高坂檸檬は冷ややかに口を開いた。「正確に言うなら、ずっと前からそうじゃありませんでした」

「俺と縁を切りたいってことか?」

「その言葉、何度も口にされてましたけど、お忘れですか?」

高坂琉生は少し後ろめたそうに言った。「あれはただの売り言葉だ。本気にしたことなんて一度もない」

「私は本気にしました。人は言ったことに責任を持つべきです」

高坂檸檬は目の前の二人の兄を見つめた。「私は売り言葉なんて言いません。さようなら。……いいえ、今後は会わない方がいいですね」

高坂檸檬の表情は格別に真剣で、その顔立ちは白く、瞳は底なしに黒かった。

言い終えた高坂檸檬が踵を返すと、そこに篠崎千謙と結...

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