第6章

二年後。

 七百三十日と七百三十夜、息つく暇もないほど働き詰めて、私はついに研究所のホワイトボードに、ナヴィエ=ストークス方程式のための最重要となる位相的次元削減公式を書き上げた。

 その瞬間、国際数学界は震撼した。

 その年、私は世界数学界でも屈指の栄誉であるクロフォード賞の候補に名を連ねた。さらに、公式のブレイクスルーが量子計算分野で応用され、蓮の会社の企業価値は一夜にして跳ね上がった。数倍どころか桁違いに膨れ、ウォール街で最も熱い企業の一つへと変貌したのだ。

 朝の陽光がブラインドの隙間をすり抜け、研究室の床に帯のようにこぼれていた。

 蓮は私の横にラテを置くと、背後からそっ...

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