第6章 横暴な御曹司

教室のドアがけたたましい音を立てて蹴破られた。

突然の出来事に、私は他のクラスメイトたちと同じようにびくりと肩を震わせた。

入口には、着崩した制服の男子生徒が一人立っていた。ネクタイは緩んでだらしなく首にかかり、高価そうなヘッドホンを首から下げて、いかにも気だるげな様子だ。

「悪い、遅れた。授業の邪魔はしてねえよな、先生?」

その声は傲慢さに満ちており、口元には笑っているのかいないのか判然としない弧が浮かんでいる。

私の視界には、すぐさま一連のコメントが空中に浮かび上がった。

『あああ!鹿島大輔がついに登場!』

『この覇気ある登場シーン、カッコよすぎ!』

『...

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