第198章

キスだのハグだの、抱っこして持ち上げるだの……。

――いつ、彼女が俺とそんなことをした?

そんなふうに甘えるのは、ほかの男にだけだ。

俺には……。

金を使って俺の会社を潰そうとし、俺のスマホにウイルスを仕込んで動画を流し、社会的に殺す。それだけ。

鈴木直哉は、無意識に拳をきつく握りしめていた。

そこへ新しい患者が運び込まれる。待合がざわりと波立つ。

水原念のスマホがまた鳴った。メッセージの通知だ。

彼女は画面を開くと、くすっと笑って音声で返した。

「どれだけ会ってないと思ってるの。もう会いたくなった? いいよ、今から行く。何か食べたい? 持ってくよ」

笑いながら、念は人の...

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