第202章

鈴木直哉は固まった。

「鈴木直哉?」水原雲成が立ち上がり、不機嫌そうに睨みつける。「何してる」

水原雲成の姿を見ても、直哉の顔色はちっとも晴れなかった。水原念が、あの男を父親に会わせた。つまり水原家は二人の関係を把握しているということだ。――まさか、まだ離婚もしていないのに、別の男と結婚の話でも進めているのか。

水原家は、鈴木直哉のことをどれだけ舐めている。

雲成は直哉を一瞥すると、今しがた近づいてきた念へ疑いの視線を向けた。――お前が呼んだのか。

「違う。呼んでない」念は即座に否定する。「お父さん、私はずっと距離置いてるから」

場所は玄関先。木製の衝立が目隠しになっていて、直哉...

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