第204章

その認識が、水原念の胸をびくりと強く揺さぶった。

――失いかけて、ようやく後悔したってこと?

――私の良さに気づいて、手放したくなくなった……?

だったら――

……ストップ。

水原念は舌先をきゅっと噛んで、自分を戒めた。

水原念、もう考えるな。

何をまだ夢みたいなことを期待してるの?

この数年、鈴木直哉にどれだけ苦しめられたと思ってるの。

彼の表情から「名残惜しさ」を読み取ろうとするなんて、どれだけ自分に甘いの。

仮に本当に未練があったとして、それが何?

ただの男の悪い癖よ。ちょっと弄んでみたいだけ。

飽きたら最後、結局「好きなのは夏目清子だった」って顔をして、あなた...

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