第213章

なんて細かい話まで……

佐々木浩二は思わず舌打ちした。

水原念が鈴木直哉と夏目清子の関係を知っているだけでも驚きなのに、どうして「今まさに鈴木直哉が甘い時間の真っただ中にいる」ことまで分かるんだ?

胸の内の疑問を、そのまま口にした。

水原念はさらに花が咲いたように笑った。けれど照明のせいか、それとも別の理由か――佐々木浩二には、彼女の瞳の奥で何かがひゅっと光ったように見えた。

「だって、現場で耳にしたもの。……言っておくけど、夏目清子の声、けっこういいのよ。鈴木直哉があんなに入れ込むの、分からなくもないわ」

そう言うと、水原念はグラスをあおり、中身を飲み干した。

鈴木直哉、さす...

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