第228章

 水原念は声のしたほうへ、冷ややかに目を向けた。

 神崎美月がずかずかと詰め寄ってくる。「なに見てんの? 私、間違ったこと言ってる? あんた、うちの科に来てまだ何日よ。患者の家族に包丁振り回されて斬りかかられるとか、これ以上ここにいたら、次はどんな騒ぎ起こすか分かったもんじゃないじゃない」

 言い終えるか終えないかのところで、上原円が仏頂面のまま診察室から出てきた。「どういうつもりだ。事情も知らない患者が勝手なことを言うのはまだしも、医者のお前まで分かったふりして噂を流すのか?」

 神崎美月はさっと俯き、それきり口をつぐんだ。

 周囲も空気を察し、慌ててそれぞれ持ち場へ散っていく。

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