第236章

医局に戻ると、上原円がこちらを見た。

水原念は自分から歩み寄る。「上原主任」

上原円は隣の椅子を指し、座るよう促した。「今日の動き、悪くなかったな」

言っているのは、水原念が過去の因縁を飲み込み、救急室であの女の処置に入った件だ。

「ありがとうございます、主任」水原念は薄く笑う。「でも、次からは……あんな馬鹿な真似、二度としません」

上原円がぽん、と肩を叩いた。

成長だ。

医者なら、誰もが一度は通る道。

退勤間際、またしても重篤患者が運び込まれた。水原念は上原円に付いて手術室へ入る。

そして、手術室を出た頃には、もうすっかり遅い時間になっていた。

くたくたの身体で病院を出...

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