第239章

水原念がその言葉を口にした直後、鈴木直哉が点滴室から出てくるのが見えた。

彼は点滴室の入口に立ち、水原念を見つめている。片手で、もう片方の手の甲を押さえていた。ついさっき針を抜いたところなのだろう。

若い看護師は鈴木直哉を見て、次に水原念を見て、顔いっぱいに気まずさを浮かべた。

ただ親切心でひと言伝えただけなのに、まさかこんな場面にぶつかるなんて。

鈴木直哉に聞かれても、水原念の表情は少しも揺れなかった。

嘘は言っていない。聞かれたところで、怖くない。

「教えてくれてありがとう」

水原念は看護師に微笑みかける。

「もう行くね」

外来ロビーを出た途端、群衆が一箇所に固まり、そ...

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