第261章

彼女の話を聞きながら、黒瀬初花は思わず感嘆の息を漏らした。

「さすが名門育ちのお嬢さま。あの鈴木直哉と離婚するって、そんなに落ち着いて言えるんだもん。鈴木直哉だよ? 金もあって顔もいい、女なら誰だって夢見るような男なのに……それを一言で蹴っ飛ばすとか。水原先生、強すぎ」

黒瀬初花は親指を立ててみせる。

水原念は笑った。「あれで「金持ち」って言うの? 私だって別に困ってないし。なんであんなところで我慢してまで一緒にいる必要があるの。自分の金で好きに生きたほうが、よっぽど気持ちいいでしょ」

「最高! 水原先生、私が水原先生だったら絶対そうする。……でも私は水原先生じゃない。金がない。うぇ...

ログインして続きを読む