第272章

水原念の言葉を聞いて、中村誠美はまた感情が昂ぶった。

「水原先生、私……先生を助けたわけじゃありません。そもそも、私が先生に迷惑をかけたんです。私……」

「迷惑っていうなら、これは俺が自分で招いた厄介ごとだ」水原念がきっぱりと言い切る。「俺が招いた厄介ごとの中で、確かにお前は俺を助けた」

「私……」

中村誠美がなおも何か言いかけたところで、水原念はもう一度、彼女の手をぎゅっと握った。

「これからは一人で娘を育てなきゃいけない。大変なのは分かってる。でも俺は信じてる。お前なら、娘と一緒にちゃんと幸せに生きていける。そうだろ?」

中村誠美は水原念の目を見つめ、しばらく黙ってから頷いた...

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