第277章

前半の夜は怖くて眠れず、後半の夜は鬱憤をぶちまけたせいで腹が立って眠れなかった。

夜明け間近になって、ようやく水原念は限界を迎え、ベッドに倒れ込むように眠りについた。

次に目を覚ましたときには、もう昼だった。

空腹がきつい。病室で食べる気にもなれず、軽く身支度を整えて病院の食堂へ向かった。

病院の食堂は、医師用のスペースと、患者と家族用のスペースに分かれている。

病衣姿の水原念は、迷わず患者と家族用のほうを選んだ。

いくつか料理を取って席に着いた途端、周囲がスマホ片手にざわついているのが耳に入った。

「ねえ、聞いた? この前の鈴木おじい様の寿宴でさ、夏目家のお嬢様の夏目清子が贈...

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