第57章
「鈴木さん」
田中修一は水原念の手を自分の大きな手で握り、鈴木直哉を見つめた。
「念ちゃんは確かに乗馬が得意ではありません。もし上手だったら、私に連れられて来る必要もなかったでしょう。夏目さんが競争したいというなら、私がお相手しますよ。鈴木様、私への怒りを念ちゃんに向けないでください。今日の一件で、もし夏目さんが無実だというなら、念ちゃんだって同じく無実です」
水原念は俯いたまま、自分の手を包み込む大きな手を見つめていた。
田中修一が彼女を守っている。
彼女は初めて味わった——男性に是非を問わず守ってもらうことは、どんな感覚なのかを。
「修一」水原念は顔を向け、田中修一を見つめ、...
ログインして続きを読む

チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
9. 第9章
10. 第10章
11. 第11章
12. 第12章
13. 第13章
14. 第14章
15. 第15章 

16. 第16章 

17. 第17章 

18. 第18章 

19. 第19章 

20. 第20章 

21. 第21章 

22. 第22章 

23. 第23章 

24. 第24章 

25. 第25章 

26. 第26章 

27. 第27章 

28. 第28章 

29. 第29章 

30. 第30章 

31. 第31章

32. 第32章

33. 第33章

34. 第34章

35. 第35章

36. 第36章

37. 第37章

38. 第38章

39. 第39章

40. 第40章

41. 第41章

42. 第42章

43. 第43章

44. 第44章

45. 第45章

46. 第46章

47. 第47章

48. 第48章

49. 第49章

50. 第50章

51. 第51章

52. 第52章

53. 第53章

54. 第54章

55. 第55章

56. 第56章

57. 第57章

58. 第58章

59. 第59章

60. 第60章


縮小

拡大