第104章 全てはあなたのため

昨晩はぐっすりと眠れた。橘芹奈はそれを吉兆だと感じ、翌朝早くからコンテストに着ていく服を選び始めた。

今回のコンテストはネットで全国生配信される上、業界内でも最大規模を誇る。その権威は高く、だからこそ氷川昴もこれほど重要視しているのだ。

久保はまだ布団に潜り込んでいたがっていた陽菜を抱き上げ、無理やり洗面所へ連れて行って顔を洗わせた。その途中、橘芹奈の姿を目にした久保は、羨望の眼差しを向けた。

「橘さんはスタイル抜群ですね。何を着てもお似合いで、まさかお子さんがいるなんて誰も思いませんよ」

それに比べて鏡の中の自分は……と、久保は瞬時に劣等感に襲われた。

「私なんて……出産してから...

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