第147章 本物と偽物のサイン入り写真

翌朝、橘芹奈が朝のミーティングを終えた直後、陽菜の担任である高山先生から電話がかかってきた。

受話器の向こうから聞こえる声は、困り果てていた。

「陽菜ちゃんのお母さんですか? お仕事中、度々申し訳ありません。実は陽菜ちゃんのことで少しトラブルがありまして……学校まで来ていただけないでしょうか」

橘芹奈の手からファイルが滑り落ち、会議テーブルの上でパサリと乾いた音を立てた。

同僚の鈴木由佳利が好奇心ありげに顔を寄せてくる。

「橘さん、どうかした?」

橘芹奈は軽く首を振り、高山先生の話に意識を集中させた。

「陽菜ちゃんが今日、また海人くんと喧嘩をしてしまって……。周りのお友達が止め...

ログインして続きを読む